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2013年2月24日 (日)

宝塚歌劇月組「ベルサイユのばら~オスカルとアンドレ編」評

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<見>18世紀のフランス革命を舞台背景に、伯爵令嬢で男装の衛兵隊長オスカルと幼いころからオスカルを支えた平民の部下アンドレの悲恋を大きなスケールで描いた宝塚歌劇の財産演目。歌舞伎でいえば独参湯「仮名手本忠臣蔵」のようなものだろうが、幕開きから自信に満ちた舞台であった。それだけに面白かった。池田理代子原作、植田紳爾脚本・演出、鈴木圭演出。
 オスカルとアンドレを龍真咲と明日海りおが交互出演しているが、龍のオスカルを見た。
 今回は、オスカルが女性でありながら荒くれ男の衛兵隊を掌握していく過程が印象に残る。日本で男女雇用機会均等法が施行されて久しいが、未だに女性管理職は世界的に見て少ない。演出はその現状を突いているかのようである。龍は、体を張って男性隊員を守り、支持を得ていくオスカルを熱っぽく演じている。
 革命に燃えるバリ市民鎮圧の命令がオスカルに下る。出陣の前夜、オスカルは、アンドレに愛を告白、2人は結ばれる。龍・明日海コンビは、ここが秀逸。隊長と隊員、貴族と平民という境遇の異なる2人の恋が悲しく燃え上がる。ただ、このいい場面の余韻を十分味わう前に場面が変わるのは惜しい。
 終盤、軍人でありながら国王側ではなく市民側に立って戦うことを決意したオスカルが両手を拡げて戦死する。そこに照明が当たり、十字架のキリストのように見える。市民のために殉死したと解釈すればいいのだろう。いい場面となった。
そして今回、オスカルとアンドレは馬車で宙乗りし、昇天する。かつで市川猿翁(三代目猿之助)は宙乗りをしてもその意味がなければ効果はないと話したが、意味のある効果的な宙乗りだ。見せ場になった。
 何度聴いても、植田作詞、寺田瀧雄作曲の切なく甘美な曲「愛あればこそ」は心に響く。歌詞にあるように「愛ゆえに人は美し」と夢のような愛の世界に誘う。
 オスカルとアンドレに絞り込まれた舞台だが、ほかにロザリーの愛希れいか、フェルゼンの紫門ゆりや、ジャルジェ将軍の汝鳥伶らが好演した。
20日所見。
――3月24日まで、東京宝塚劇場で。

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