« 二月文楽公演評 | トップページ | 華舞台・東宝・キューブ「PACO~パコと不思議な絵本」評 »

2014年2月15日 (土)

華舞台・Bunkamura「もっと泣いてよフラッパー」評

Photo

串田和美作・演出・美術のBunkamura 25周年記念「もっと泣いてよフラッパー」は、串田主宰のオンシアター自由劇場で1977年に初演した音楽劇。俳優が楽器を生演奏するスタイルや主演・吉田日出子の独特な存在感もあってヒット、その後、串田が芸術監督を勤めた開場間もないBunkamuraシアターコクーンで3度も再演している。今回は22年ぶりの上演となる。
 舞台はギャングが跋扈し、ジャズが鳴り響く1920年代、狂騒の米国シカゴ。田舎から出てきたクラブの踊り子・ジル(松たか子)と八百長ボクサー・チャーリー(大東駿介)のカップルを中心に、踊り子(秋山菜津子、りょう)、ギャング(松尾スズキ、大森博史、小西康久ら)、新聞記者(石丸幹二)、皇太子(片岡亀蔵)ら個性豊かな登場人物が、心弾む愛や哀しい恋をにぎやかに繰り広げる。
 今回は主役ジルがアンニュイでノスタルジックな空気を漂わせる吉田から、歌も台詞も明瞭な松に変わった。松は、演技もストレートで清々しい。題名のフラッパーとは、20年代米国の新しいタイプの女性を指し、日本語の辞書ではおてんば娘。初演時と比べ、20年代は遠くなり過ぎた。ノスタルジックではなく、ストレートに感情を表す松は本作の2014年版にふさわしい、現代のジルである。
 共演では松尾がうまい。全てを投げ捨ててフラボー(鈴木蘭々)に岡惚れする黒手組の親分・アスピリンで、どこかズレた不思議なおかしさを感じさせる。歌舞伎俳優の亀蔵の演じる世間離れしたコミ帝国皇太子も愉快。これも不思議な味だ。
 串田自身も出演して、本作は絵空事と断りを入れるが、楽しい絵空事である。
 音楽監督・作曲・編曲=ダージリン(佐橋佳幸/Dr.kyOn)
(11日所見。3月2日までシアター・コクーンで上演)
(写真は松たか子)=撮影:細野晋司、提供:Bunkamura 

« 二月文楽公演評 | トップページ | 華舞台・東宝・キューブ「PACO~パコと不思議な絵本」評 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 華舞台・Bunkamura「もっと泣いてよフラッパー」評:

« 二月文楽公演評 | トップページ | 華舞台・東宝・キューブ「PACO~パコと不思議な絵本」評 »

無料ブログはココログ