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2014年6月 6日 (金)

劇団イキウメ「関数ドミノ」評

<見>人気劇団イキウメが「関数ドミノ」を再演した。
運転手・新田(新倉ケンタ)の車が歩行者・左門陽一(大窪人衛)をはね、助手席の新妻は意識不明の重体になるが、陽一は透明の壁に守られたかのごとくかすり傷ひとつ負っていない。目撃者・真壁(安井順平)は、この超常現象の原因を目撃者で陽一の兄・左門森魚(浜田信也)によるドミノ現象ではないかと推測する。ドミノとは特定の人間が強く願えば実現する現象という。森魚が人間ドミノで、弟の無事を願ったから助かったと推理、その確認作業を始める。
 暗闇から突然横一列に並んだ出演者たちが浮かび上がり、上手から自己紹介しては消えて行く。手際いい幕開き。目撃者を一同に集めての保険調査員・横道雅子(岩本幸子)による聞き取り調査は説得力があり、不思議な論理に引き込んでいく。観客は不気味と混乱のひとときを楽しむことになる。
 読売文学賞、読売演劇大賞に輝く作・演出の前川知大が作品を練り上げ、異才ぶりを遺憾なく発揮している。市川猿之助がその才に惚れこみ、スーパー歌舞伎Ⅱ(セカンド)の作・演出に白羽の矢を立てたのもうなずける。
 作・演出の才能も大したものだが、出演者も優れている。安井、浜田、大窪、新倉、岩本のほか、ドミノでエイズが陰性になる目撃者・土呂弘光の森下創、看護師・澤村美樹の伊勢佳世、陽一の恋人・平岡泉の吉田蒼、医師・大野司の盛隆二ら全員が、しっかりした台詞で役割を的確に演じている。
1日所見。
――15日までシアタートラムで上演。

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