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2014年9月 3日 (水)

明治座「北島三郎最終公演」評

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<見>歌手・北島三郎が明治座で最終公演を行っている。昭和43年9月の新宿コマ劇場公演以来、毎年全国の大劇場で1か月の座長公演を開いてきたが、東京はこれが最後という。77歳になった、しかし引退したわけではないと舞台上で元気に語っていた。
 歌手による座長公演は、芝居とヒットパレードの二本立てが通例。芝居は添え物的になりがちだが、北島は古くから映画と舞台に意欲的に出演してきただけに、舞台も本格的である。芝居が出来、かつ1時間のヒットパレードに耐えうる歌手が高齢化する中での最終公演は残念に思うと共に、長年の大衆演劇への貢献に敬意を表する。
 芝居は原譲二作・演出、安達靖人演出「国定忠治」。お馴染みの名場面、赤城山からの後日譚である。忠治(北島)やその子分たちは関所を破り、同業のやくざの親分にだまされ、また助けられながら逃避行を続ける。コミカルな味付けもきき、大衆娯楽的展開であるが、幼い時に分かれ、兇状持ちの忠治が父親であることを知らない娘・お千代(水町レイコ)と再会する場面は、心打ついい場面になった。花嫁衣装を見る北島に父親の情がある。ここで忠治女房・おふじの星由里子もいい。肩に力が入らず、自然体で優しさが漂う。ベテランの味である。
 ヒットパレード「魂の唄を・・」は、「函館の女」「兄弟仁義」などヒット曲を堪能させるが、曲をつなぐ北島のトークもウイットに富み、いつもながら面白い。年輪だろう。今回は、娘の水町や娘婿の北山たけしもマイクを握る。アットホームな最終公演であった。
1日所見。
――28日まで上演。
(写真は北島三郎と星由里子)=明治座提供

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