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2014年11月13日 (木)

焦点・20代で固めた浅草歌舞伎

 東京の正月を彩る風物詩、新春浅草歌舞伎の製作発表会見が7日、都内のホテルで開かれた。若手修練道場の機能を果たしてきた公演だけに、毎年、世代交代が話題になるが、来年は何と7人の主要キャスト全員が20代である。
 年齢順に主な役を紹介すると、最年長29歳の尾上松也は「仮名手本忠臣蔵―五・六段目」の勘平に挑戦。平成元年生まれの中村歌昇は「大蔵卿」の主役・大蔵卿を勤め、同年の坂東巳之助がお家芸「独楽売」を踊る。同5年生まれの4人、中村種之助が「猩々」を踊り、中村米吉は「大蔵卿」の常盤御前、中村隼人が「五・六段目」の千崎弥五郎を演じ、中村児太郎は同演目でおかる。それぞれ重要な役に取り組む。
 会見でリーダー格の松也は、「技術は未熟ですが、新しい世代ならではの歌舞伎をお見せできれば」と挨拶、挑戦する勘平は立役の大役。「憧れの役を30歳前にやらせていただけるとは光栄です。プレッシャーを感じていますが、教わったことをしっかり演じたい」と答えた。歌舞伎の現状については、「僕たちは毎月歌舞伎興行がある恵まれた環境にいますが、そうじゃない時期もありました。いつもどこかで歌舞伎を公演している状況をつくるため、常に危機感をもって臨んでいきたい」と神妙に語った。
 この人は菊五郎劇団の中堅俳優だった尾上松助の長男。祖父は新派の名脇役だった春本泰男。子役で活躍後、歌舞伎だけでなく新劇、商業演劇、ミュージカル、ラジオ、テレビ映画と幅広い分野で努力を重ね、人気を集めてきた。自主公演も開いている。それらの成果が認められて、歌舞伎一か月公演のリーダー格に起用されたのではないか。発言もしっかりしている。〝何かしでかしそうな〟若手だ。歌舞伎は実力の世界。ぜひとも頑張ってほしい。
=敬称略(伝統文化新聞にも掲載します)

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