« 東宝ミュージカル「モーツァルト!」評 | トップページ | 歌舞伎座・十二月大歌舞伎評 »

2014年11月28日 (金)

明治座花形舞踊公演評

<見>藤間勘十郎プロデュースによる明治座花形舞踊公演が27、28の両日、同座で開かれた。歌舞伎と日本舞踊の若手花形を集めた公演で、昨年に続き二度目である。
 27日昼の部を見た。幕開きは市川猿之助の三番叟、勘十郎の千歳で清元「種蒔三番叟」。猿之助の三番叟は、軽妙の中に粋を感じさせた。
 常磐津長唄「汐汲」は、海女みるめ実は三太郎狐に市川ぼたん、漁師に若柳里次朗と花柳源九郎。立ち回りもあり、ぼたんが花を咲かせる。
 長唄清元「阿古屋三曲箏責め」は勘十郎の遊君・阿古屋。畠山重忠に逃亡する平景清の行方を問われた愛人・阿古屋が箏、三味線、胡弓を心静かに奏で、身の潔白を証明する音楽裁判劇。三曲をたっぷり実演しなければならない役だけに、歌舞伎では女形の難役。近年では故・中村歌右衛門や坂東玉三郎ぐらいしか演じていない。舞踊家の勘十郎はどのように踊って見せるのかと注目したが、役者のように三曲を丁寧に演奏した。演出・振付に才を見せる気鋭だが、努力家であることも証明した。
 最後は勘十郎脚本の「湧昇水鯉瀧」。小桜姫に祟る鯉魚の化身を滝窓志賀之助に退治される「鯉つかみ」である。志賀之助実は青若丸と鯉魚の精に尾上菊之丞、小桜姫に花柳ツル、局呉竹にぼたん、篠村次郎に勘十郎。歌舞伎では本水を使うなどケレンで見せるが、「近江のお兼」のような晒し、「勧進帳」の飛び六方のような引っ込みなどにぎやかな展開で、娯楽性の強い舞台になっている。
 概ね素踊りで、日本舞踊の本質を示し、中に踊り、台詞で荒削りな部分もあるが、瑞々しさ、若々しさで見せる。日舞の普及に寄与する公演であることは間違いない。
――28日で終了。 27日夜の部、28日は別演目。

« 東宝ミュージカル「モーツァルト!」評 | トップページ | 歌舞伎座・十二月大歌舞伎評 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 明治座花形舞踊公演評:

« 東宝ミュージカル「モーツァルト!」評 | トップページ | 歌舞伎座・十二月大歌舞伎評 »

無料ブログはココログ