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2015年1月17日 (土)

文学座アトリエの会「リア王」評

<見>病気で舞台から遠ざかっていた江守徹が、シェークスピア悲劇「リア王」に挑戦した。小田島雄志訳、鵜山仁演出。
 その口跡の良さからナレーターとしても活躍していた江守が、一言一言かみしめるように訥々と台詞を語る。王権をふるっていた出だしは傲慢で闊達、領土を口のうまい長女と次女に譲り、その娘たちに裏切られたと知ったときの怒りと狂乱、三女コーデリアの真心とその死を知っての落胆と解脱。老王の三態を巧みに演じ分けるが、かつての饒舌な台詞回しを思うにつけ痛々しい。ラストはコーデリアの亡骸を車椅子に乗って抱き、登場する。何としてもリア王を演じ切ろうとする江守の役者魂に胸が熱くなる。
 道化役の金内喜久夫が老練の深みある芸を見せた。長女ゴネリルの郡山冬果と次女リーガンの浅海彩子が悪女を好演。三女コーデリアの岡﨑加奈は初々しい。エドマンドの木場允視は野心家の屈折した心理を歯切れよく演じた。鵜山の手際の言い演出で、3時間の長丁場もあっという間に過ぎる。
14日所見。
――22日まで文学座アトリエで上演。

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