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2015年1月15日 (木)

初春新派公演評

<見>花柳章太郎没後五十年追悼と銘打って所縁の2作品を上演。日本情緒あふれる舞台を作った。こういう芝居ができる新派は貴重な劇団である。
樋口一葉原作、久保田万太郎脚色、斎藤雅文演出の「大つごもり」は、薄幸の下女・みねに波乃久里子。みねが奉公する山村家の口うるさい後妻・あやに水谷八重子。家を飛び出した山村家の惣領息子・石之助に市川月乃助。
 ベテラン波乃が若い娘を演じ、それらしく見せるのは高度な芸の力。今回の収穫は、月乃助がすっかり新派の色に染まっていること。たびたびゲスト出演してはいるが、ゆっくりはっきりした口調は日本語のよさを引き出し、新派になじんでいる。叔父夫婦の窮地を救うため、みねはあやの金を盗む。石之助は、その犯行を自分のしたことと書き置して去る。ここの石之助は痛快である。
 宇太郎の田口守が江戸っ子らしい。
 川口松太郎作、成瀬芳一演出「寒菊寒牡丹」は、望まれて大家に嫁ぐことになった芸者・菊葉と菊葉に母であることを隠してきた芸者・妻吉、妻吉の弟で傷害事件を起こし執行猶予中の磯吉と外国人の妾で磯吉に惚れこんだラシャメンお新、この4人が織りなす哀しい人情ドラマである。
 妻吉の水谷は、「大つごもり」のあやと違い、娘を思う情のある母役で本領を発揮する。菊葉はトリプルキャストのうち瀬戸摩純を見た。おきゃんで、母思いのかわいい菊葉になった。健闘している。磯吉に勝野洋。お新に山吹恭子。
6日所見。
――26日まで三越劇場で上演。

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コメント

綺麗ですょね〜瀬戸摩純!酔っている場面最高でした。

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