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2015年1月19日 (月)

焦点・藤山直美が松竹と東宝で時間差製作発表

 女優の藤山直美が15日、都内でふたつの舞台製作発表を行った。それも大手の松竹と東宝。いずれも多数の報道陣が集まり、昨今の勢いをうかがわせた。
 最初は午後3時45分から始まった松竹のスーパー喜劇「かぐや姫」。直美の喜劇と市川猿翁が生み出したスーパー歌舞伎とのコラボで、10年前の「狸御殿」に続く第二弾。佐々木渚脚本、斎藤雅文演出。かぐや姫役の直美のほか、新派の水谷八重子、歌舞伎の市川笑也、市川猿弥、市川春猿、市川月乃助らが出演する。公演は3月が新橋演舞場、4月が大坂松竹座である。
 会見で、「藤山の家の本家である新派から水谷先生に、総本家である歌舞伎の方からおもだか屋の皆さんに来ていただきました。(スーパー喜劇が)新しいひとつのジャンルになったらいいのですが、ジャングルになりそう。珍獣があつまりましたので」と笑いを取る。一方で、「役者が集まったらすごいことするな、と思ってもらえたらうれしい」「物語として成立していることが大事で、踊りや歌、ケレン味の面白さに引きずられて物語があるというのは一番いけないこと」「何をしてでもいいから笑ってもらいたいというのは好きではない。人の心情とか感情にのっとり自然と笑っていただくのが喜劇」と新作への意欲、抱負、方針を語った。
 続いて午後6時15分からは、森光子の当たり役を引き継ぐ東宝「おもろい女」。戦前の天才的漫才師ミス・ワカナを主人公にした小野田勇の作品だが、本作の舞台化に先行するテレビドラマで直美の父・寛美と森が共演しているという縁もある。漫才の相方、玉松一郎に渡辺いっけい。田村孝裕の演出。5月末からシアター1010で短期公演したあと、6月はシアタークリエで上演される。
 こちらでは、「森光子さんが演じてきたことと同じことをしようという厚かましい気持ちは捨てました。新しい作品として取り組みます。作品の時代の日本の風情が出せればと思っています。でもお芝居のテンポは、今日的でなければ。その調和が取れていればいいなと思います」。
 「かぐや姫」の会見はそれ自体が喜劇を演じているように面白く、「おもろい女」では演劇人として真摯な一面をのぞかせた。会見も演じ分けたのであろう。見渡せば、数少なくなった大劇場座長のひとり。その貫録に感心させられた1日でもあった。=敬称略
(伝統文化新聞にも傾城します)

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