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2015年9月30日 (水)

焦点・中村橋之助が芝翫襲名

 歌舞伎の中村橋之助が来年10月、東京・歌舞伎座で父の名跡中村芝翫を八代目として襲名することになった。松竹が9月25日に発表したもので、3人の息子、長男・国生、次男・宗生、三男・宜生も、それぞれ四代目橋之助、三代目福之助、四代目歌之助を襲名する。4人同時襲名は珍しい。
橋之助は28日の記者会見で、襲名が父の遺言であったことを明らかにた。芝翫の名跡は父七代目が女形、五代目、六代目も女形の重鎮、五代目中村歌右衛門、六代目歌右衛門の前名であったことから、女形のイメージが強い。立役の橋之助にはそぐわないと思う人がいるかもしれない。しかし、四代目芝翫は、立役、実悪、女形を兼ねた幕末明治初期の名優で、大芝翫と呼ばれた大物。現在、「熊谷陣屋」の制札の見得は制札を逆さまにして抱える團十郎型が主流だが、正しく立てる型を芝翫型として今に伝える。実は橋之助、この芝翫型を何度が手がけ、4年前にはその演技などで日本芸術院賞を受けている。お家芸を継ぐ意欲は満々である。
歌舞伎界ではこの4年余りの間に中村富十郎、芝翫、中村雀右衛門、中村勘三郎、市川團十郎、坂東三津五郎の6人もの看板役者を失った。異常事態といって過言ではない。
一方で、襲名の朗報も次々と耳に届き始めた。今年正月には新・中村鴈治郎が誕生。3月には中村芝雀が来年3月、五代目雀右衛門を襲名する。今回はそれに続く襲名発表である。襲名で異常事態を押し戻してほしい。
映画、テレビでの実績も十分。8月に50歳になったばかりの働き盛り。おおらかで朗らかな橋之助が次代を担う歌舞伎界のリーダーの1人、まさに大芝翫となることを期待する。=敬称略(伝統文化新聞にも掲載します)

 

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