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2016年1月 8日 (金)

初春花形歌舞伎評

<見>海老蔵、獅童、右近ら花形で活気ある舞台を作っているが、3演目中、2演目で主演する海老蔵公演の趣。
最初は華やかに「車引」。獅童の松王。力と悪の味がある。右近の梅王はもう少し勢いが欲しいが迫力はある。春猿の桜丸は柔らか味がある。市蔵の時平。まずまずの幕開き。
 「白浪五人男」は海老蔵が弁天小僧。兼ねる役者ではないから、「浜松屋」で武家娘らしく見えないのは仕方がない。観客もそれを楽しんでいる。正体を見破られてから本領発揮。立役ならではの男っぽい小悪党になる。獅童が南郷。こちらも武家の若党に化けている前半、侍らしい硬い台詞回しが今一つ。しかし、正体を明かしてからは、手強いならず者ぶりを見せる。右近がやや小ぶりながら貫禄のある日本駄右衛門。友右衛門が鳶頭清次で歯切れのいい啖呵を切った。右之助の浜松屋幸兵衛。
 「稲瀬川贅揃い」では、笑三郎の赤星、市蔵の忠信も加わって五人男の名乗りをたっぷり聴かせる。「極楽寺屋根立腹」で大立ち回りを披露した海老蔵は、「滑川土橋」になるとすっきりした青砥左衛門になって登場、右近の駄右衛門と対峙する。海老蔵が立役の強みを生かした、痛快な舞台にしている。
 最後は海老蔵にとって2度目の復活公演となる歌舞伎十八番「七つ面」。今回は松岡亮の脚本。海老蔵が元興寺赤右衛門で、七つ面を踊り分ける。隅田川の世界や景清の怨念、「幡随長兵衛」を思わせる場面まであってにぎやかな劇中劇構成。海老蔵が市川家の「にらみ」で締めくくった。サービス満点。「七つ面」復活への意欲を感じさせる舞台である。右近が舞台番右近、笑三郎が班女御前。 
5日所見。
――24日まで新橋演舞場で上演。

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