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2017年6月14日 (水)

焦点・第11回人間国宝の会

 ジャンルを超えて伝統芸能の第一人者が至芸を披露する第11回人間国宝の会が6月6日、東京・三宅坂の国立劇場小劇場で開かれた。
 オープニングは「新内三番叟」。新内仲三郎(三味線=人間国宝)と長男・新内多賀太夫(浄瑠璃)が、亀野直美らのひとみ座乙女文楽の人形と共演、軽妙に幕を開けた。続いて、清元清寿太夫(浄瑠璃=人間国宝)と清元梅吉(三味線=同)でにぎやかに「神田祭」。
そして出演した国宝5人による「トーク」のあと、奥村旭翠(琵琶=人間国宝)が迫力ある「茨木」を臨場感たっぷりに弾き語った。最後は仲三郎、多賀太夫と堅田喜三久(囃子=人間国宝)で「尾花の子守歌」。母の情をたっぷりにじませて会を閉じた。
「トーク」で主催者の石川雅己千代田区長は、過去10回の公演で55人の人間国宝中、28人が出演したと胸を張った。なるほど、半数が参加したことになる。人間国宝というインパクトの強い尊称で伝統芸能の普及振興に寄与したことと思う。ちなみに、人間国宝とは通称で、正式には重要無形文化財保持者である。
 また、会の後半には天皇皇后両陛下のご観劇があった。ご着席、ご退席には満員の客席から大きな拍手が鳴り響いた。関係者の大いなる喜び、励みになったことと思う。
 さて、会の開催に尽力している新内仲三郎はこの4月、新内冨士元派の家元を長男剛士(現多賀太夫)に譲り、宗家に就任した。宗家と家元の違いについて、「会社でいえば社長から会長になったようなもので、派の運営は剛士に任せる。いつまでも年長者が仕切っていては発展がない。私は相談には乗りますが、演奏活動が中心になります」と話す。名取についても家元の判断にゆだねるという。潔さに敬意を表すると共に新内の発展を祈る。=敬称略
(伝統文化新聞にも掲載します)

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