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2017年6月21日 (水)

焦点・国立劇場の「日本音楽の流れⅠ―筝―」

国立劇場の新邦楽シリーズ「日本音楽の流れⅠ―筝―」が10日、東京・三宅坂の国立劇場小劇場で上演された。「こと」と呼ばれる弦楽器10種余りを発展順に紹介、楽器の変遷だけでなく歴史をも感じさせる。演奏者のインタビューもあり興味深い公演であった。
上演の順を追うと。
① 御神楽(みかぐら)「菅掻(すががき)」「阿知女作法(あじめさほう)」。(和琴=大窪永夫)
雅楽「爪調(つましらべ)」「越殿楽(えてんらく)」(楽筝=大窪)
② 「近世までの筝曲について」
筑紫筝曲「花の宴」「帰雁」より(筑紫筝=唯是雅枝)
八橋流筝曲「輪舌」「扇の曲」より(筝=てん・仁智)
琉球筝曲「六段菅攪(ろくだんすががち)」「対馬節」より(長磯筝=名嘉ヨシ子)
③ 生田流筝曲「越後獅子」(五八筝=菊珠三奈子)
山田流筝曲「ほととぎす」(筝=山登松和)
④ 「近代からの筝曲について」
京極流筝曲「おもひで」より (本間筝=和田一久)
現代筝曲「火垂(ほた)る」より (十七絃=石垣清美)
現代筝曲「三十絃のための独奏曲」より(三十絃・宮下秀冽)
⑤ 新作委嘱初演の現代曲「過現反射音形調子」(筝=中島裕康、唐筝=吉澤延隆、琴=日原暢子、二十五絃筝=木村麻耶)
① の和琴は弥生・古墳時代に確認される日本古来の5,6弦の楽器。古代ロマンを感じさせる。②は渡来した筝の日本での発展ぶりが分かり、③は十三絃筝が爛熟期を迎えていることを示している。④は弦が飛躍的に増え、音域が広がる。西洋音楽の刺激を受けたためと思う。⑤は難解、不可思議な音世界だが、未来を感じさせた。
国立劇場では昭和50年代に類似の企画を10回シリーズで開催しているが、以来30年余り経過している。先細りするジャンルの伝承支援のためにもこのシリーズの意義は大きい。次回は来年の予定で、演目は未定だそうだ。

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