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2017年11月10日 (金)

こまつ座「きらめく星座」評

<見>井上ひさし昭和庶民伝三部作のうち昭和60年に初演された第一作。栗山民也演出。
第二次世界大戦開戦直前、浅草のレコード店オデオン堂を舞台に、戦争に巻き込まれていく庶民の姿を当時の流行歌をふんだんに使いながら描く。
3年前の上演と同じキャストのため全員よく役をこなしているが、とりわけ3人の好演がドラマを盛り上げた。
まず、木場勝己。東北で教職を追われた広告マン竹田慶介を演じている。独特の落ち着いた台詞術で、軍国化の時世に流されないリベラル派の立場をうまく表現している。
次ぎが山西惇。竹田に対峙するオデオン堂の婿で傷痍軍人の源次郎を好演している。単純思考で軍部の代弁をするのだが、時に三の線を織り込みユーモラス。
最後はオデオン堂の後妻・ふじ役の秋山菜津子。好戦・反戦を超越した女性ならではの逞しさを感じさせる。作品に込められた希望を明るく体現している。
内外の情勢が何かきな臭い昨今だけに、井上の反戦の叫びがひときわ高く響く。
共演は久保酎吉、田代万里生、深谷美歩ら。
4日所見。
――23日まで紀伊国屋サザンシアターで上演。

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