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2017年12月 1日 (金)

焦点・舟木一夫の「忠臣蔵」

歌手・舟木一夫が東京・新橋演舞場12月公演で、暮れらしい通し狂言「忠臣蔵」に主演するという。11月30日の公開ゲネプロを拝見した。
芝居は昼の部が「忠臣蔵・花の巻」、夜の部が「同・雪の巻」。それぞれに別構成の「シアターコンサート」が付く。
報道陣に公開したのは「花の巻」である。大石内蔵助(舟木)は遊興にふける祇園の茶屋で、主君・浅野内匠頭(尾上松也)による吉良上野介(林与一)への刃傷、赤穂城明け渡し、山科での妻・りく(紺野美沙子)ら家族との別れを回想する。
歌手でありながら若い時からテレビ、映画、演劇で俳優の経験を重ねた舟木は、大石の苦悩と情をしっかり表現している。いわゆる歌手芝居の域を超えた演技だ。討ち入りのある「雪の巻」では里見浩太朗、田村亮が加わるので、豪華配役の通し上演である。◆ところで、敵役・吉良を演じる林与一と舟木の出会いは半世紀前に遡る。昭和39年のNHK大河ドラマ「赤穂浪士」での共演以来である。舟木の矢頭右衛門七、与一の堀田隼人だった。
与一は拙著「家元探訪」(出版研究センター刊)で、「高校三年生」でデビューしたばかりの舟木の指導を主演の長谷川一夫から頼まれたが、「よく勉強されていて、ほとんど何もいうことはなかったですね」と語っている。
ゲネプロの前に舟木に聞くと、「5年ぐらい前、偶然与一さんに、あなたの吉良が見たいと話したが、本当にそうなった。吉良と内匠頭がきちっと対峙しないと話がへなちょこになる。与一さんが出てくれてよかった」と喜ぶ。
芸能生活55周年記念でもあるこの12月公演中の12日に73歳になる。時の流れを感じさせる公演である。=敬称略(伝統文化新聞にも掲載します)

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