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2018年12月 2日 (日)

焦点・歌舞伎界、五杯の宝船

「年の瀬や~」の発句が脳裏をよぎる師走。歌舞伎界のこの一年、五杯の宝船を見た。実り多い年であった。

幕開きは正月と二月の歌舞伎座。二代目松本白鸚・十代目松本幸四郎・八代目市川染五郎の高麗屋三代襲名に沸いた。「車引」「寺子屋」「一力茶屋」などで高麗屋の勢いを見せた。

五月歌舞伎座は十二代目市川團十郎の五年祭。「雷神不動北山桜」で長男の市川海老蔵が八面六臂の大活躍。すでに座頭経験も豊富だが、泉下の父親も安堵しているであろう。

八月の新橋演舞場で坂東巳之助が新作歌舞伎「ナルト」で主演した。大劇場一か月公演での主役は初めてではないか。堂々とその責務を果たした。三年前に他界した父・坂東三津五郎も喜んでいるに違いない。

九月の歌舞伎座秀山祭で長らく舞台を休んでいた中村福助が「金閣寺」の慶寿院尼で舞台復帰した。短い出番だったが、めでたいことだ。得難い女形である。今後に期待したい。

十月歌舞伎座と十一月平成中村座は十八代目中村勘三郎の七回忌追善公演。中村勘九郎・七之助兄弟が「実盛物語」「狐狸狐狸ばなし」など熱演、立派に施主を勤めた。

このうちの海老蔵、福助、勘九郎はその子供たちもすでに人気を集めている。

伝統をつなぐことこそ宝船。来年も多くの宝船を見たいものだ。=敬称略

(伝統文化新聞にも傾城します)

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