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2020年1月13日 (月)

新橋演舞場・初春歌舞伎評

恒例となった海老蔵大活躍公演。五月に十三代目市川團十郎白猿襲名を控え、熟成度が高まっている。

昼の部の幕開きは孝太郎の雪姫、獅童の松永大膳で「金閣寺」。孝太郎は夫・直信への愛を鮮明に描く。獅童は国崩しを演じる素材を持っていることを示した。

右團次の此下東吉が立派。友右衛門の狩野直信。齋入の慶寿院尼。九團次の佐藤正清。

「鈴ヶ森」は海老蔵の幡随院長兵衛。この若さで、十分な貫禄。予想通りだが、感心するほかない。莟玉の瑞々しい白井権八。こちらは予想以上の出来。今月の収穫。九團次の飛脚・早助も健闘。

昼の最後は秋元康作・演出。田尾下哲演出の新作「雪蛍恋乃滝」。本題の上に「NINJA KABUKI」と付いている。果たして海老蔵が忍者・稲妻。敵国から原爆と思しき新兵器の製造法を盗もうとする稲妻はその国の月姫と恋に陥る。海老蔵は冷静かつ情熱的な忍者で魅力を発揮。冒頭、勸玄が幼少期の稲妻として登場、立ち回りを披露して喝采を浴びる。

獅童が稲妻の主君・清宗、右團次が政虎。児太郎の政虎の娘・月姫。

夜の部は「め組の喧嘩」から。海老蔵のめ組の辰五郎。力士たちとの大喧嘩の決意を隠している間は少々だれるが、決意を明らかにしてからは颯爽たる鳶頭。胸のすく威勢のよさ、だけでなく、大勢をまとめる力も見せる。

孝太郎の女房・お仲。喧嘩をしない辰五郎をなじるところに情がある。勸玄が辰五郎倅・又八で「子別れ」までかわいく、かつ達者なところを見せる。梅玉、左團次、右團次らも顔を出し大きな舞台になった。

最後は九代目團十郎ゆかりの舞踊劇「雪月花三景」。帝の寵愛を受けた小督局(児太郎)を源仲国が迎えに行く。海老蔵が仲国を豪快に踊る。長女・ぼたんが胡蝶の精で出演した。

7日、新橋演舞場所見。

 

 

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